こんにちは!ゆこです。
今回は、早期流産後に流産手術をしたときのお話。
以前記事にした「【体験談】痛いと噂の卵管造影検査を受けてみたら死ぬほど痛かった話」が、思いのほか反響があったので、今回も少しセンシティブな内容ですが、記録に残すことにしました。
私がそうだったように、この記事を読んでいる‟誰か”も、もし同じような状況になったとしても、きっと身近な人には相談しにくいから。
そんな時に頼れるのは、顔も知らない‟誰か”の貴重な体験談だと思っています。
この記事を読むことで、
「手術は不安だけど、これならきっと大丈夫!」
「同じようなつらい経験をしてるのは、自分ひとりじゃないんだ」
と、少しでも気持ちの整理ができたり、心が楽になったり。
流産をしてしまい、不安な思いを抱えている人たちにとって、私の体験談が少しでもお役に立てばと思います。
※痛みや体調に関しては個人差があるので、「ふ~ん、こんな人もいるのね」くらいに気楽な気持ちで、読んでいただけると幸いです。
早期流産とは
そもそも早期流産とは?
流産とは何が違うの?という方もいるかと思うので簡単に説明すると・・・
まずはじめに、流産とは、妊娠22週未満で母親の胎内にいる赤ちゃんが、何らかの原因で亡くなってしまい、妊娠が継続できなくなることを意味します。
(妊娠22週以降の赤ちゃんの死亡は死産と呼ぶ)
妊娠の15%前後が流産になり、妊娠した女性の約40%が流産を経験しているとの報告もあるほど。
流産は、決して珍しいことではありません。
その中でも、妊娠12週未満の早い時期の流産を早期流産といい、流産全体の約90%をしめるといわれています。
ほとんどが胎児の染色体異常が原因であり、受精卵の段階で流産の運命が決まっているのです。
母体の妊娠初期の仕事や運動などが原因で流産することは、ほとんどないとされています。
妊娠発覚から早期流産の診断にいたるまで
「自分ももしかしたら早期流産かも・・・」と不安になっている方もいると思います。
私の場合、どのような経緯で妊娠~早期流産と診断されたのかを、参考までに。
妊娠にいたるまで
1年間病院(不妊治療専門ではないレディースクリニック)に通い、タイミング法を行うも結果が出なかった私は、妊活にも少しお疲れ気味だったので、病院に通うことを一時中断していました。
自然に授からないのであれば、そういう運命だったと受け止めて、子供のいない人生というのもありなのかな・・・
それともやはり子供を望むのであれば、そろそろ人工授精に切り替えて、もう少し頑張ってみようかな・・・
そんな風に悩みながらも、自己流でタイミングを取り、妊活を続けて半年経った頃です。
妊娠検査薬で、念願の陽性反応が出ました。
妊娠6週目
さっそく、病院へ。
超音波検査の結果、胎嚢(たいのう)が確認されましたが、まだ心拍は確認できない状態。
特に生理周期が不規則な人の場合は、正確な受精時期がわからず妊娠の週数も定かではないため、心拍が確認できないことはよくあるのだそう。
そのため、翌週にまた診察をすることに。
妊娠7週目
再び病院へ行き、超音波検査を行うも、またもや心拍が確認できず。
しかし、胎嚢は少しずつ成長しており、その中には卵黄嚢(らんおうのう)も確認できるため、また翌週に診察をすることに。
この頃から、午後になると気分が悪くなったり、だるくなったりと、少しずつつわりの症状が出始めました。
今回こそは!と期待に胸を膨らませるも、心拍の確認ができず、徐々に不安が募ります。
「心拍確認 いつ」とか「心拍確認 8週以降」とか、暇さえあれば検索魔になり、なんとか心を落ち着かせようとする日々でした。
妊娠8週目
再度超音波検査を行うも、心拍の確認ができず、さらには、胎嚢の成長も止まっているとのこと。
この時初めて、「残念ながら流産の可能性が高い」と告げられました。
この頃、つわりの症状はますます悪化。
朝は元気なのに、夜になると気分が悪くて食欲もなくなり、仕事から帰るとソファーで横になってぐったり・・・という状態に。
しかもこのタイミングで、大学時代の友人から「第2子妊娠して安定期に入りました~!」との報告が。
その友人は何も悪くないのですが、タイミングが悪すぎました。
私は口先だけの「おめでとう」しか言えず。
心の底から友人の幸せを喜ぶことは、とてもできませんでした。
妊娠9週目
4度目の超音波検査で、ついに流産が確定。
すぐに、子宮内に残った胎嚢などを取り除くための流産手術が必要とのこと。
2日後に手術の予約を取り、病院をあとにしました。
前回の診察後から「もう駄目なんだろうな・・・」と、心の準備はできていたので、取り乱すことはありませんでした。
ただ、この頃もつわりは相変わらず。
命が宿っていないのに、つわりだけ残るという状況は、正直かなり堪えました。
流産手術について
流産手術とは具体的にどんなことを行うのか、私が実際に受けた「子宮内容除去術」について説明します。
①分娩経験がない場合、器具を子宮に入れやすいように、まずは子宮口を開くためのラミセルを挿入
ラミセル挿入時~挿入後に、腹部に違和感や痛みを伴うことがあります。
②数時間後※、子宮口が拡張したら、手術器具を子宮から挿入して、子宮の中にある組織(絨毛成分や胎児成分)を摘出
※子宮口の硬さ応じて、ラミセル挿入後から摘出手術までの時間が異なる。
手術時間は、ほんの5分ほどといわれています。
また、手術は全身麻酔をして行われるため痛みはありません。
③手術終了後は、麻酔から覚めるまで1~2時間ベッドで安静に過ごす。
以上で手術~日帰り入院が終了し、帰宅となります。
流産手術の流れ
手術前日
22:00以降は絶飲食となります。
食べないのは我慢できるけど、水すら飲めないというのがきつかったです。
どうしてものどが渇いたときには、うがいをして口内を潤して、なんとか耐えました^^;
手術当日
8:40
朝一で病院へ。
受付を済ませたら、まずは入院部屋に案内されます。
案内されたのは2人部屋で、もうひとり同じ手術をする人が先に入室していました。
カーテンで仕切られていたため、特に会話をすることもなく・・・
というか、お互い会話をする心境でもないですしね。
無言のまま、病院が用意したパジャマに着替えてしばし待機。
9:00
手術の前処置のために内診室へ。
内診台に座ると・・・
今から子宮口を広げるためのラミセルというものを挿入します。
少し痛いけど我慢してくださいね~
とのこと。
「痛いのかぁ。やだなぁ~」・・・なんて思っていると、さっそくラミセルが挿入され、「い――たたたた!」と、思わず声を上げる私。
痛いですよね~でももう少しですよ~
先生が悪いわけではないのですが、ラミセルの挿入が想像以上にめちゃくちゃ痛いッ!!
この痛み、私は知っています!
そう!半年前に受けた、卵管造影検査でバルーンを膨らませるときに味わった、子宮を圧迫されるときのあの痛み!!
生理痛のような下腹部の痛みが、その何倍もの強さで私を襲います(泣)
もだえ苦しみながらも、無事ラミセルが挿入され、ベッドへ戻ります。
その後しばらくは痛みが続きますが、一般的には30分程度で痛みもなくなるとのこと。
ところが私の場合は、この後1時間以上生理痛のような痛みが続きました(涙)
つらかった・・・
そこから子宮口が開くまで、水分補給のための点滴をしながら、ベッドで横になって待機です。
10:30
私よりも先に前処置を終えていた、お隣さんが先に呼ばれて内診室へ。
いよいよ摘出手術となります。
20分ほど経った頃でしょうか・・・お隣さんが帰ってきたようす。
ところが、その後私もすぐに呼ばれるのかと思いきや、待てど暮らせど呼ばれず。
子宮口の硬さに問題があったのか、結局12時過ぎまで待ちぼうけでした。
しかもその間、麻酔から目が覚めたお隣さんが、「う゛ぅ~」とうなっているではありませんか^^;
ベッドの上で何度も寝返りを打ち、もだえ苦しんでいる様子がひしひしと伝わってくる・・・
様子が見えないからこそ、聞こえてくる物音にすごく敏感になります。
この後同じ手術を受ける身としては、恐怖でしかありませんでした(涙)
12:00
ようやく内診室に呼ばれ、いよいよ摘出手術へ。
内診台に座るとまもなく、点滴から麻酔が投与され、意識が遠のいていきました。
「麻酔を入れていきますね~」と言われから、ほんの数秒でもう記憶が飛んでいます。
そして目が覚めると、先ほどまでいた入院部屋のベッドで横になっていました。
手術の記憶は全くありません。
もちろん痛みも皆無。
意識が朦朧とする中、時計を見ると12:45。
夫に「手術おわた」とだけLINEをし、再び眠りにつきました。
13:30
麻酔から完全に目覚め、気分はすっきり!
それと同時に、ものすごい空腹が襲ってきました。
病院から支給されたサンドイッチを一気食い。
空腹と安堵感が合わさって、ものすごくおいしく感じました。
14:00
食事を終えると、看護師さんが出血の状態を確認に来ました。
私はまったく出血していなかったので、このまま帰っていいとのこと。
着替えとお会計を済ませ、帰宅となりました。
手術後
<手術当日>
ベッドで安静に過ごします。
こんなに何もしないでゴロゴロ過ごしたのはいつぶりだろうか・・・
もういい加減動きたいな・・・と思うほどに、のんびりと過ごしました。
そして気づいたら、それまでずっと続いていたつわりの症状がなくなっていました。
<手術翌日~3日後>
シャワーは翌日から、入浴は1週間後からとなります。
その後も2日間は安静に過ごし、仕事は1週間後からとのことでしたが(病院により異なる)、私の場合、手術後も出血はまったくなく、体調もすこぶるよかったので、3日後には仕事復帰しました。
何もしないで家にいるよりは、何かをして気を紛らわせていたかったというのもあります。
<手術翌週>
手術の翌週に、術後の経過を見るために病院へ。
手術で子宮の内容物がすべて取り除かれたか、子宮の状態はどうかを診察します。
<手術翌々週>
再び、病院で診察をします。
特に異常がなければ、これにて手術とそれに伴う術後の経過観察がすべて終了となります。
流産手術の費用
気になる費用はというと、手術代+入院のお部屋代あわせて48,210円でした。
※病院により金額は異なるので、参考までに。
手術自体の費用は保険適用でしたが、子宮口拡張処置代(3,300円)と入院部屋代(22,000円)は保険が適用外。
相部屋で、しかも半日なのに部屋代が高すぎる・・・
手術の前後も、毎週のように心拍の確認や術後の経過観察などで診察にいっていたので、それも合わせると、すべて自費なのでプラス2万円くらいでしょうか。
妊娠12週未満の流産なので、出産育児一時金などの手当てももちろんなし。
子供は産めなかったのに、妊娠しただけでこんなにお金がかかるなんて。
ここに不妊治療の費用も加わると、金額はこんなものではないですよね。
なんだか虚しくなりました。
おわりに
早期流産後の流産手術についての体験談でした。
前処置のラミセル挿入があんなに痛いとは(泣)
もちろん身体的な負担だけでなく、精神的にもしんどかったです。
正直もうこりごり。
妊娠して、子どもが無事に生まれてくることって、本当に奇跡なんだなぁと、改めて思いました。
こうして記事を書いている今は、手術から半年近く経ったこともあり、穏やかな気持ちで過ごせています。
しかし、術後しばらくは、ひとの赤ちゃんなんて見たくもなかったし、話も聞きたくなかった。
それはTVやSNSで見る他人の子も、友人の大切な子どもでさえも。
でも、自分の中でひとつの決断をしたことで、不思議と気持ちが落ち着いて、今はもう赤ちゃんを見ても「あぁ、可愛いなぁ」と素直に思えます。
私の場合は、わりと早く前を向くことができましたが、だからといってみんなに「すぐ立ち直れるから大丈夫だよ!」とは言いません。
もし同じ経験をして心が沈んでいる人がいるなら、「つらかったね。よく頑張ったね。」と声をかけてあげたいです。
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